南禅寺や八坂神社と合わせて行きたい、京都東部の重要な歴史スポット「銀閣寺」。
銀閣寺には、美の求道者ともいえる足利義政の「簡素枯淡の美」が反映されています。
金閣寺と対比したときに見る銀閣寺の「美」とは?500年もの間大切に受け継がれてきた銀閣寺の魅力とは?
この記事では、銀閣寺の見どころやアクセス方法、そして周辺の観光スポットを紹介します。京都有数の紅葉スポットとも知られ、秋には特別拝観も行われます。
詳細が気になる方は、ぜひチェックしてくださいね。
銀閣寺とは
銀閣寺は、正式名称「東山慈照寺」と言います。室町幕府8代将軍の足利義政が建てた山荘「東山殿」を起源としていることと、義政の法号「慈照院」にちなんで名づけられました。
東山は京都の東に連なる山々を指し、お盆の八月十六日の夜に点火される「送り火」で有名な大文字山を中心になだらかに続いています。
銀閣寺はその大文字山の麓に位置し、簡素で落ち着いた美しさを持つ東山文化の原点として現代に受け継がれる日本文化へと発展していくことになりました。
【銀閣寺の見どころ】
室町幕府の代々将軍は美術品の収集に熱心で、当時の貿易でもたらされた数多くの名画や名器、墨蹟(禅僧が墨で書いた筆跡)を宝庫に収蔵していました。東山文化は、それらを選定・発展させたものと言えます。
銀閣寺境内には、東山文化の象徴とも言える観音殿(銀閣・国宝)のほか、東求堂や銀沙灘といった見どころがあります。
特に、東求堂は阿弥陀如来を祀っていた阿弥陀堂でしたが、義政はその周囲に禅宗様式の庭園を巡らせているところが特徴的です。ここには、義政独特の精神世界が反映されていると言えます。
阿弥陀如来?禅宗?違いは何?
仏教にはいくつか宗派があり、「念仏を唱えることで阿弥陀如来が救ってくれる」とする宗派や「座禅を組み、己を見つめ直して己の中の尊厳な人間性に気づき、周囲に感謝できる」とする宗派など、考え方は異なります。
「念仏を唱えることで阿弥陀如来が救ってくれる」とするのが、西本願寺や東本願寺の宗派・浄土真宗や知恩院の宗派・浄土宗です。
一方で、「座禅を組むことで己の良さを知る」とするのが、銀閣寺や金閣寺、南禅寺などを代表とする臨済宗です。「座禅体験ができるのはどこだろう?」などと考えてみると興味深いですね。
銀閣寺で行われる特別拝観
通常、銀閣寺は庭園のみ拝観可能ですが、春と秋には東求堂や方丈、弄清亭が特別公開されます。
庭園にある観音殿 銀閣と東求堂が造営時の室町時代の建造物であり、公開時にはぜひ両方をしっかり見ておきたいもの。
観音殿 銀閣には義政の宗教観が現れており、「簡素枯淡の美(質素で落ち着いた雰囲気)」や「侘び寂び」といった日本らしさが表現されています。
金閣寺と対照的な雰囲気も心に焼き付けておきましょう。
銀閣寺の滞在時間目安は、30分~1時間ほど。
銀閣寺へのアクセス方法
京都駅から銀閣寺までは、電車とバスを乗り継ぐ方法か、市バスを利用する方法があります。
電車を利用する場合は、地下鉄烏丸線の今出川駅まで行き、市バスで銀閣寺道まで行きます。バス下車後は徒歩10分弱で到着。
銀閣寺は相国寺の塔頭寺院(禅宗寺院。祖師の死後弟子が寄り添って建てた塔)の一つでもあるので、ぜひ相国寺と合わせて訪れてくださいね。
銀閣寺 住所:京都府京都市左京区銀閣寺町2 TEL:075-771-5725 営業時間 3月~11月:8:30~17:00 12月~2月:9:00~16:30 ※特別拝観 春:令和6年3月20日(水)~ 5月6日(月)10:00/11:00/12:00/13:30/14:30/15:30 いずれかの時間帯にガイド案内のもと拝観可能 秋:未定(詳細はHPを確認) HP:https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/ |
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